老人ホームを選ぶポイント

「色々な老人ホームがあってどれがいいか分からない」
「自分に合う施設の選び方が分からない」

いざ老人ホームの入居を考えても、種類が多すぎて迷っている人もいるはずです。
選ぶ際は、希望条件を明確にして1つひとつ確認していくことが大切ですが、どこから始めるべきか悩みますよね。
そこでこの記事では、老人ホーム選びのチェックポイントについてお伝えします。

老人ホームの種類

まずは、老人ホームの種類について知っておきましょう。
主に8種類に分けられ、それぞれ特徴や入居条件が異なるので、要介護度に合わせて選ぶと良いです。

公的施設

公的施設は、行政機関が運営する老人ホームのことです。
要介護者や低所得者の支援を目的としており、特別養護老人ホームは要介護3以上が対象となります。
人気が高くエリアによっては入居待ちが発生しますが、国からの補助金により比較的安価に利用できるので、費用を抑えたい方は公的施設を選ぶと良いでしょう。

民間施設

民間施設は、民間企業が運営する老人ホームのことです。
サービスの幅が広く、施設によっては自由度の高い暮らしができることが特徴で、予算やライフスタイルに合わせて様々な選択肢があります。
中には、介護が必要ない高齢者向けの施設もあり、自立した暮らしを送りつつ必要なサポートを受けることが可能です。
入居者のニーズを満たす柔軟さが魅力なので、なるべく希望通りの施設に入りたい方は民間施設を選ぶと良いでしょう。

老人ホーム選びのチェックポイント
ここでは、老人ホーム選びのチェックポイントを詳しく解説します。

①食事
食事は、健康維持をする上で欠かせない要素となります。
献立表を確認したり試食したりして、「栄養バランスの取れた食事が提供されるか」「ホーム内で作られているか」「身体状態に応じた個別対応が可能か」「利用者の口に合うか」などをチェックしましょう。
また、季節ごとのイベント食やバリエーションの豊かさなど、食事を楽しむ工夫が凝らされていると、食欲が湧いて暮らしに対する満足度向上につながります。

②立地
緊急時に駆け付けたり面会に行きやすくなったりするため、交通の便や自宅からの距離をチェックし、通いやすい立地から選ぶと良いです。また、「治安が良く落ち着いた雰囲気」「商業施設や公園があり外出しやすい」といった周辺環境を考慮すると、暮らしやすさの向上が期待できます。

環境変化によるストレスを減らすには、「自宅に似た環境で暮らしたい」「老後は自然に囲まれた場所がいい」などの意見に寄り添うことも大切なので、本人の希望を事前に確認しておくと良いです。

③医療体制
「施設内に医師は常駐しているか」「夜間の緊急対応は可能か」「医療機関との連携はあるか」など、身体状況に合う医療体制が整っているか確認しておくことで、安心した暮らしにつながります。
また、利用料金が高かったり、要介護度の高い入居者を受け入れていたりする施設は、医療体制が充実している傾向にあるので、将来的な健康状態の変化を見据えて選ぶと良いです。

④入居条件・退去条件
入居条件となる「要介護度」「身体条件」「居住地域」は事前に確認し、基準を満たしているか確認しましょう。
また、入居途中で認知症にかかった場合、受け入れをしておらず退去を求められるケースもあるので、「認知症や看取りの受け入れ体制」「長期入院時の対応」など退去条件を把握しておくと良いです。

⑤費用
入居費用としては、入居時に支払う「入居一時金」と毎月支払う「月額利用料」が発生します。入居費用のほかにも、医療費や日用品の実費負担もかかるので、細かい項目まで確認しておくと良いです。
施設ごとに費用は変動し、高い分手厚いサポートを受けられたり医療体制が充実していたりするので、希望や経済状況を考慮しながら選ぶと良いです。

⑥部屋・設備面
部屋・設備面では、「浴槽設備の充実度」「共有スペースの清潔さ」「転倒防止に向けた対策（手すりや常夜灯の設置）」などから、施設全体を通して快適に過ごせるかチェックしましょう。
また、広さや綺麗さだけでなく、身体状況に合わせた暮らしをイメージしながら「収納は物が取りやすい位置にあるか」「トイレが遠く負担にならないか」「介護ベッドの補助機能は使いやすいか」などを確認してみると良いです。

⑦レクリエーション
レクリエーションが充実していると、生きがいや脳の活性化につながります。
また、入居者同士の交流の場が設けられることで、コミュニケーションを楽しむきっかけとなり、孤独感の解消が期待できます。

レクリエーションはそれぞれ特色が異なり、入居者自身が講師となったり定期的に演奏会を開催したりする施設もあるので、「日々のレクリエーション内容」「行事ごとの取り組み」などを確認して本人に合う施設を選ぶと良いです。

⑧施設の雰囲気
施設の雰囲気は、過ごしやすさや居心地に直結します。
雰囲気をチェックするには、「スタッフの対応は丁寧か」「利用者の表情は明るいか」「花や小物は飾られているか」など、細かな点に目を向けると良いでしょう。
明るく落ち着いた雰囲気や入った瞬間から居心地が良い施設は、入居者が安心して暮らせる環境が整っていることが多く、長く快適に過ごせるはずです。

良い老人ホームを選ぶ上でのポイント
ここでは、チェックポイントを踏まえた上で押さえておきたい、良い施設を選ぶ上でのポイントを解説します。

見学をして実際の暮らしのイメージする

施設を選ぶ際は、実際に見学をしてみることが大切です。
施設内の雰囲気やスタッフの様子は、資料だけでは伝わらない部分があり、肌で感じることで納得のいく判断ができるようになります。
また、見学時に実際の暮らしをイメージしながら、設備や生活動線といった具体的な要素をチェックしておくと、入居後のギャップ解消につながります。

老人ホームに求めるものをリストアップしておく

「予算を抑えたい」「自宅と変わらない暮らしを送りたい」「医療ケアを重視したい」など、老人ホームに求めるものをリストアップしておくことで、施設を選びやすくなったり入居後の満足につながったりします。
複数の施設で迷っている場合は、求めるものに優先順位を付けて、それぞれの施設がどの程度満たしているか比較すると良いです。何となく選んでしまうと、サービスに納得がいかず後悔する場合もあるので、しっかりと情報収集を行い慎重に判断しましょう。

まとめ

今回は、老人ホーム選びのチェックポイントについてお伝えしました。
納得のいく施設を見つけるためには、「身体状況に合う医療体制が整っているか」「食事を楽しめるか」「細部にまで配慮されているか」など、入居後の暮らしをイメージしながら選ぶことが大切です。
また、本人が入居をためらっている場合でも、見学を通して雰囲気を肌で感じることで入居に対して前向きになる可能性があります。
老人ホームは、本人にとって我が家となるので、本人の希望を考慮しながら快適に過ごせる施設を選んでみてください。