「介護付き老人ホームとは？」

介護付き有料老人ホームとは、生活～介護支援まで一貫して行われる施設のことです。
幅広いサービスが提供される介護付き有料老人ホームは、高齢者が安心して暮らせる場所として注目されています。
しかし、サービス内容や他の老人ホームとの違いがよく分からない、という方も多いのではないでしょうか。

今回は、介護付き有料老人ホームの概要やメリット・デメリット、他の施設との違いについて分かりやすく解説しています。
自分の老後を見据えて老人ホームについて考えたい方や、家族の入居を検討している方は、この記事を参考にしてみてください。

介護付き有料老人ホームとは

介護付き有料老人ホームは、24時間介護スタッフが常駐し、掃除・洗濯などの生活支援から、食事・入浴などの介護支援まで受けられる介護施設です。
スタッフが常駐していることで、急な体調不良や夜間の医療機関への連絡手配などの緊急対応が可能となり、常に安心して過ごせます。

運営には、一定の設備や人員、運営基準をクリアした上で都道府県の認可が必要です。そのため、手厚いサービスと満足のいく介護が保証されています。

介護付き有料老人ホームの設備

介護付き有料老人ホームには、生活空間や共用空間ごとに快適に過ごせるさまざまな設備が備わっています。

入居者が寝泊まりする生活空間は、介護が必要な方向けの「介護居室」と、入居時に介護を必要としない方向けの「一般居室」に分けられています。居室は、原則個室で提供することが定められており、プライバシーが保たれている点が特徴です。
共用空間には、浴室やトイレ、食堂などの生活をする上で必要な設備が備わっています。また、機能訓練室などのリハビリや健康管理を目的とした設備もあります。

施設全体は、廊下や階段への手すりの設置、ベッドや担架をスムーズに出し入れできる廊下幅の確保などがされていて、入居者のための快適な空間づくりが整っていることが特徴です。

介護付き有料老人ホームのスタッフの種類

健康面や生活面など、必要な分野ごとに下記のようなスタッフがいます。

・健康管理や緊急対応を担当する看護師
・食事を担当する管理栄養士や調理師
・リハビリなどを担当する理学療法士や作業療法士
・身の回りのサービスを担当する介護士やソーシャルワーカー
・施設の運営管理をする管理者や事務員

これらのスタッフが協力して、入居者が快適に暮らせる支援をすることが介護付き有料老人ホームの目的です。

介護付き有料老人ホームのサービス内容

施設により違いはありますが、主に以下のサービスを受けることができます。

介護サービス

食事や入浴、排せつなどの入居者の日常生活を支える介助サービスが受けられます。
また、24時間介護スタッフが常駐することにより、夜間や早朝のケアなども対応可能となるので安心です。

生活支援

掃除・洗濯など、入居者が行えない家事を代行します。身の回りの世話をサポートしてくれるため、生活に困ることなく快適に過ごせます。

食事

管理栄養士や調理師が、栄養バランスの取れた食事を提供します。食事は日常の満足度を大きく左右するものなので、口に合うか入居前に確認しておくと良いです。

リハビリテーション

機能訓練など健康維持や回復のためのトレーニングを行います。入居者が健康的な生活を送れるようサポートします。

健康管理・医療行為

看護師が少なくとも日中は常駐しています。健康管理では、検温、血圧のチェック、服薬管理を日常的に行い異変がないかチェックします。また、協力医療機関を定めているので、定期的な医療行為や健康サポートが可能です。

レクリエーション

入居者同士の交流や趣味活動が楽しめます。交流をすることは、認知症予防やコミュニケーションの活性化に効果的です。

介護付き有料老人ホームでかかる費用

さまざまなサービスや設備が整っている介護付き有料老人ホームですが、入居するにあたりどのくらい費用がかかるのでしょうか。
入居時に必要な「入居一時金」と月々にかかる「月額利用料」についてお伝えします。

入居一時金

入居一時金とは、入居する際に支払う家賃の前払い金のことです。
想定される居住期間の家賃を入居一時金として最初に支払うことで、月々にかかる費用を抑えられます。

金額は施設により異なり、入居一時金が0円の施設もあれば数千万から億単位を支払う必要がある施設も存在します。ですので、希望する介護付き有料老人ホームの一時金はいくらなのか調べておくといいでしょう。

月額利用料

月額利用料とは、介護費や居住費、生活費、管理費、居住サービス費などの、月々施設に対して払う必要のある費用のことです。
費用は15～40万円ですが、中には100万円以上かかる高級介護付き有料老人ホームも存在します。

「入居一時金で費用を支払っているのになぜ費用がかかるの？」と思う方もいるかもしれません。入居一時金で支払っているものは施設を利用する「家賃」です。一方で、月額利用料で支払うものは介護や食事などの生活サポートを受けるための「サービス料」となります。

介護付き有料老人ホームのメリット・デメリット

介護付き有料老人ホームを選ぶメリットとは何なのでしょうか。
デメリットと併せてお伝えします。

メリット

1番のメリットは、24時間体制の介護サービスが受けられることです。これにより、高齢者は常に安心して生活することができます。
また、食事や掃除、洗濯などの日常生活のサポートにより、自立した生活が送れます。さらに、リハビリを兼ねたレクリエーションなど、他の入居者との交流も多く取れるため、開放的な雰囲気の中で日々を過ごせることも大きなメリットです。

デメリット

デメリットは、他の老人ホームと比較して、費用が高くなることです。その他にも、生活スタイルの変化に慣れるまでに時間がかかったり、入居者同士の人間関係がうまくいかなかったりする場合があります。

住宅型有料老人ホームとの違い

住宅型有料老人ホームとの大きな違いは、介護サービスが提供されるか否かです。

住宅型有料老人ホームは、食事、洗濯、清掃などの生活支援サービスが付いた高齢者施設です。介護支援は行っていないため、外部の介護サービスに依頼します。
一方、介護付き有料老人ホームは、施設内で介護サービスが提供される高齢者施設です。食事介助、入浴介助、排せつ介助、更衣の手伝いなどの介護サービスが提供されます。

介護付き有料老人ホーム入居の流れ

入居までの流れは、自分のニーズに合った施設を検索するところから始まります。気になる施設が見つかった後は、見学・体験入居をネットなどで申請しましょう。
見学では、ミスマッチがないか、施設の雰囲気が合っているかなどを確かめて、入居をするか決めます。その後は契約に向けて必要書類の準備、引越しを行います。

まとめ

一定の基準をクリアしていて、細やかな配慮が行き届いた介護付き有料老人ホームですが、施設ごとに入居条件や費用、サービス内容などに違いがあります。
入居後のミスマッチが起きないためにも、積極的に見学や資料請求を行い、自分や家族の状況に合った施設を選ぶことが大切です。

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