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2022/05/28テーマ:インタビュー,コラム~身元引受人/後見人/終活~

身元保証人と後見人の違い~どちらが先決か~

エレガリオ神戸は神戸市中央区海岸通に位置する介護付き有料老人ホームです。近隣には大丸神戸店や元町商店街、ハーバーランドなどがあり、都市型生活を楽しみたいシニアの方にはうってつけの住環境の中、手厚い介護体制やこだわりの食事で安心のシニアライフをサポートします。

この度、エレガリオ神戸では(一社)こうべつながり 生駒様に身元保証人と後見人についてお話をお伺いいたしました。こちらのブログでご紹介いたします。

身元保証人と後見人の違い~どちらが先決か~

結論。それは身元保証人の確保が先決です。
終活において、あるいは有料老人ホームやサ高住(サービス付き高齢者住宅)、介護施設への入居において身元保証人が居ることが必須だからです。

その他の理由も交えながら身元保証人と後見人の違いを紹介します。
現在、年齢を問わず様々な場面で身元保証(引受)人・連帯保証人・緊急連絡先などを求められます。
身元保証人とは誰のことでしょう?
一般的には子どもや親族を指します。例えば契約の面では、成人年齢が引き下げられ、18歳以上は親の承諾なしでも契約が可能になりました。その一方で、高齢者は子どもや親族の承諾がないと契約が成立しない傾向が強くなっています。

高齢者がリフォーム業者との契約において、親族の同意を求められ苦労したなど身元保証人事業を通して経験した事例です。この時は、私共が身元保証人として同意し契約が成立しました。このように高齢者は、様々な場面で身元保証人が必要となります。特に有料老人ホームや施設入居時と入院手術時は、身元保証人を強く求められます。

有料老人ホームや施設・病院が身元保証人に求める役割は主に4つです。

①連帯保証
②緊急連絡対応
③各種同意
④ご遺体引取り

ホームや病院が求める身元保証人とは、まさに昔から家族がしている役割なのです。
家族の役割をする人が居ないと、高齢者が何らかの理由で意思表示出来ない場合や
亡くなられた時に、施設や病院が困ります。
そもそも施設や病院は、ある意味では死に一歩近づいている場所だと私は考えます。
その場所では、意思表示が出来ない可能性あるいは亡くなる可能性が高いため、
施設や病院は高齢者に対して強く身元保証人を求めます。

一方、身元保証人と似て非なる役割の後見人。
そもそも後見人とは何を任される人なのでしょうか。
認知症や知的・精神障害等の疾患により判断能力が不十分な方が不利益を被らないように
その方の財産管理や身上監護を行う、家庭裁判所から選任された人のことです。

後見人の役割は主に2つです。
①財産管理
②身上監護

そして後見人の役割ではないことは?
①家事や介護
②医療同意
③身元保証
です。

つまり後見人は身元保証人になれません。後見人と身元保証人は役割が違うのです。
ではなぜ、後見人は身元保証人になれないのでしょうか?

まず一つ目の理由。
後見人は本人の代理人です。つまり、本人=後見人という図式になります。
ゆえに、本人が本人の身元保証をするという解釈になるためです。

次に二つ目の理由。
こちらは例を用いて紹介します。
例えば、本人の入院中入院代を支払えない状況が起こった場合、身元保証人が入院代を立て替えます。当然、本人のために立て替えた費用なので、身元保証人は後日、本人に請求して精算します。

入院代を払えない時、仮に後見人が身元保証人になっていたら身元保証人として
自分が立替えたお金を、今度は後見人として立替えてもらった費用、つまり自分が立替えた
お金を本人の財産から支出・精算する構図になります。
この行為が「利益相反」といって保証人と後見人双方の利益が反した状態になるため、
後見人は身元保証人なれないのです。

財産管理を担う後見人には、お金を立て替えるという行為や概念はないのです。
そもそも財産管理をするにあたり本人の財産を管理しているわけですから
管理財産から支払うだけでよく、一旦立替えるという行為は後見人として行うべきではありません。

以上2つが、後見人が身元保証人になれない理由です。

後見人になれない理由は、逆に、身元保証人が後見人になれない理由でもあるわけです。

身元保証人の役割と後見人の役割。どちらも昔から家族が担ってきたことです。
それが現在は
・核家族化による血縁の希薄
・長寿化による家族介護の限界・働き方変化による家族の遠距離化

など時代の変化や価値観の多様性などにより家族や親族だけがすべきことではなく、第三者が担えることも増えてきています。財産管理や身上監護をする人を後見人、その他のことをする人を身元保証人と分けているのです。

また、医療保険・介護保険などの公的保険制度の他に、高齢者を支える目的として
家事代行や宅配弁当、安否確認など様々な民間サービスも充実しています。
民間サービスのほとんども、やはり緊急連絡先として家族の立場になる人つまり身元保証人を求め何かが起これば最終的な判断や同意などを身元保証人に求めます。
つまり最後判断をする家族の役割をする人が必須なのです。

では、どちらの確保が先決か?これは冒頭でも申し上げたように身元保証人です。
そもそも後見人はあくまで判断能力が不十分になった時から必要とする人です。
元気でしっかりしているうちは不要で、利用も出来ません。
一方、身元保証人は判断能力に関係なく、いつでも様々な場所において必要です。
以上の理由から、身元保証人の確保は必須であり後見人より先決だと言われます。

団塊の世代が既に高齢者となっています。
この団塊の世代を表す
『団塊の世代は親を看取る最後の世代、そして子どもに看取られない最初の世代。』
という言葉があります。
この言葉が現実にならないように、家族で・親子で終活について人生会議を開いてほしいと強く思います。

最後までご高覧いただき、ありがとうございました。

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一般社団法人こうべつながり 代表理事生駒 貴徳

昭和44年11月生まれの52歳。さそり座。O型。
2016年に一般社団法人こうべつながりを設立。今までに200名を超えるエンディングノート作成に携わり、終活セミナー講師も数多く務める。