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2022/09/14テーマ:インタビュー,コラム~身元引受人/後見人/終活~

エンディングノートと遺言書の違い ~4つのポイント~

エレガリオ神戸は神戸市中央区海岸通に位置する介護付き有料老人ホームです。近隣には大丸神戸店や元町商店街、ハーバーランドなどがあり、都市型生活を楽しみたいシニアの方にはうってつけの住環境の中、手厚い介護体制やこだわりの食事で安心のシニアライフをサポートします。

この度、エレガリオ神戸では一般社団法人こうべつながり 生駒様にエンディングノートと遺言書の違い~についてお話をお伺いいたしました。こちらのブログでご紹介いたします。

終活のはじめの一歩である【エンディングノート】。一方、終活の浸透やおひとりさまの増加などによって、今後は作成が増えるであろう【遺言書】。この2つの間には、大きな違いが4つあります。今回は、それらを詳しく見ていきましょう。

~4つの違い~

最初に、今回の結論からお伝えします。以下の表をご覧下さい。

では、4つの違いについて順に見ていく前に、それぞれの特徴を先にお伝えします。

エンディングノートとは?~その特徴~

終活のはじめの一歩であるエンディングノート。
一言で申し上げると、【自身が伝えたい事をまとめるノート】です。

一般的に、エンディングノートに書く項目は以下の7つ。
①自分情報/家系図や自分史
②健康情報/病歴とかかりつけ医や服薬情報
③もしもの時の希望/延命治療の有無など
④死後の希望/葬儀や納骨など
⑤生活情報/財産種別やライフラインなど現状の各種支払先、パスワードなど
⑥連絡先情報/親族や友人など、訃報の有無も添える
⑦伝えたいメッセージ

そしてこのノートに、お薬手帳や各種保険証券、納骨の生前契約書などを挟んでおくことを勧めます。要は、自分に関する様々な情報や思い、メッセージなどを一冊にまとめることがポイントです。

【重要なこと・その①】
財産について書く時に重要なのは、種別です。
どこの口座があるのか、株や投資信託をしているのか、どんな保険に加入しているのかといった種別を書きます。そして重要なのは、金額を書かないことです。なぜなら、親子喧嘩や兄弟喧嘩になる可能性が高いためです。

【重要なこと・その②】
あなたがエンディングノートに書いた事を、誰に伝えたいですか?
重要なのは、伝えたい人にエンディングノートを直接見せて話すことです。
そして、その人に保管場所を伝えておくことも大事です。

現在、シニアや高齢者の皆さんは、両親とのお別れを経験された方も多いと思います。
どこの金融機関に両親の預金があるのか?保険類や株、借金は?
このように、両親を亡くされた時の相続で苦労しませんでしたか?
悲しみの中、記憶だけを頼りに確認をするのは大変だったと想像できます。
そんな悩みや苦労を、今度はあなたの家族や子どもに背負わせないためのツールが、エンディングノートです。

遺言書とは?~その特徴~

遺言書とは、自分の死後に残った財産を、誰にどのように分配するのかを指定する書面です。
特に、相続に関して法定通りではない希望がある方は、遺言書が必須と言えます。

ところで、遺言と遺書を同様に考えてしまう方がいらっしゃいます。
字は似ていますが、遺書は自分の気持ちを周りの人に伝えるものなので、実は全くの別物です。

また、遺言と聞くと、縁起でもない・死んでしまう気がする、と感じる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。そういう方の中には、終活の一環として、過去生命保険に入っていた人も多いはず。実は、遺言書も生命保険と同じようなものなのです。そして、両方とも終活の一つなのです。

生命保険は、もしもの時に家族が困らないように、お金の準備をするものです。
言い換えると、自分が亡くなった時の準備をしています。どれくらいのお金が必要で、そのお金の受取人は誰にするのかなどを考え、生命保険に加入している方が多いはず。
遺言も同じです。自分のお金を誰に分配するのかを考えて作る書面です。

そして生命保険は、種類にもよりますが満期を迎えることが多いですよね。
つまり、終活という死後の準備をすることで、生前の悩みや不安ごとを軽くし、長生き出来たと考えられます。遺言書も生命保険同様、死後の準備をすることで安心できるので、長生きできると言われています。

【重要なこと・その①】
財産を分配する指示書面なので、作成前に自身の財産の把握が必要です。
よって、まずはエンディングノートを書くことが先決です。
そうすれば財産の把握をして、自身の事を振り返ることも出来ます。
繰り返しとなりますが、終活のはじめの一歩がエンディングノートだと言われる所以でもあります。

【重要なこと・その②】
遺言書は相続や遺贈したい人に見せない・話さないことが重要です。伝えたい相手にノートを見せて話しましょうと言った、エンディングノートとは逆ですね。
なぜなら、お金のことだからです。お金は人を変えてしまいます。

お金によって変わってしまった事例を紹介します。
Aさんはご主人を亡くし子どもがおらず、そのため色々なことを姪に頼っていました。
その都度、姪にお礼を渡していました。
姪はとても良くしてくれていたので、(他にも相続人がいるが)
姪に全額相続させるという内容の遺言を作りました。
そしてある日、そのことを姪に伝えました。
『おばちゃんが死んだら、あんたに全部あげるように遺言を書いたから、これからもお願いね。』と。

それから月日が流れ、姪がお金を無心するように…。
そして、『最期にくれるんやったら、今くれへん?』と。
お金は人を変えます。姪の主人の仕事がうまくいかず、生活に不安が出ていたことが原因のようでした。

エンディングノートと遺言書、それぞれの特徴についてお伝えしました。
では、4つの違いを見ていきましょう。

法的拘束力と書く内容

エンディングノートには、法的拘束力がありません。
つまり、エンディングノートに書いたあなたの思いや希望は、家族や相続人、その他伝えたい人への『お願い事』であって、強制は出来ません。
だからこそ、書く内容は自由なのです。

一方、遺言書は法的拘束力があります。ただし、法的効力がある範囲は決まっており、基本的には財産の分配に関連する範囲のみです。
その他の死後事務に関する部分には、法的拘束力はありません。もちろん、拘束力がないからといって、他の事を書いてはいけないというわけではありません。死後事務の他にも、家族へのメッセージなど、エンディングノートと同様書いても良いのです。

書き方

エンディングノートは、伝えたい人へ伝えたい事をまとめるノートですので、書き方にルールや制約はありません。自由に書いて良いのです。
そして、自分らしさを出すために、綺麗にまとめようとは思わず、誤字脱字なども気にせずに書くことをお勧めします。もちろん、手書きでなくPCでの作成でも構いません。

遺言書には法的拘束力がありますが、決められた形式で書く必要があります。形式以外での書き方をした場合は、無効になる可能性があります。

見るタイミング~開封時期~

『エンディングノートとは?~その特徴~【重要なこと・その②】』でもお伝えしたように、
エンディングノートは伝えたい人に直接見せて話すことが重要です。
ゆえに、亡くなった後だけではなく、生前にも見せる・話すことが出来ます。

一方で遺言書は、『遺言書とは?~その特徴~【重要なこと・その②】』でもお伝えしたように、相続や遺贈したい人に見せない・話さないことが重要です。
つまり、死後に開封されます。家族や相続人が、生前に内容を確認する事は出来ません。
そして、自筆証書遺言の場合、開封についてのルールが決められています。
ルールに従わず勝手に開封すると、過料を科されることがあります。
過料とは、お金を徴収される制裁のひとつです。しかし、過料そのものよりも、それによって相続が争続になることが問題でしょう。

伝えたい人と『人生会議』を開きましょう

以上、エンディングノートと遺言書の違いをお伝えしました。
違いはあれども、どちらも終活のひとつです。
そして、エンディングノートは終活のはじめの一歩です。

厚生労働省が普及・啓発を進めている『人生会議』。
人生会議とは、もしもの時のために、前もってあなたが望む医療やケアについて考え、家族や医療・ケアチームなどと繰り返し話し合い、共有する取り組みのことです。まさに、エンディングノートも同じ。もしもの時のために書いて、伝えたい人に見せて話す。これが取り組みですね。

最後までご高覧いただき、ありがとうございました。

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【エレガリオ神戸のご案内】
エレガリオ神戸は神戸市中央区海岸通に立地。近隣には元町商店街、ハーバーランドがあり、お散歩気分で気軽にショッピングやお食事に出かけられアクティブな生活が楽しめる介護付き有料老人ホームです。是非、ご見学だけでもお越しくださいませ♪

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介護付き有料老人ホーム エレガリオ神戸
〒650-0024 兵庫県神戸市中央区海岸通6丁目2番14号
フリーダイヤル:0120-82-7700
ホームページ:https://elegario.com

【一般社団法人こうべつながりのご案内】

~活動目的~
一生涯関係を持ち続ける家族のように、人生の伴走者となってつながりを求めるすべての人の意思を尊重し、安心して暮らせる社会を実現すること

~活動内容~
私たちは上記目的を達成するために下記の事業を行っています。

【つながり会員制度】もしもの時の安心サポート
~5大支援で一生涯の安心を届けます~

① 身元保証~入院や施設入居時など/医療同意含む~
② 生活支援~家族の立場で24時間対応~
③ 死後事務~あの世への引越し準備~
④ 葬送支援~葬儀・納骨の執行人~
⑤ 顧問支援~弁護士・税理士による成年後見、遺言等~

~終活、エンディングノートの普及活動~
①終活全般やエンディングノートの書き方
②成年後見制度や遺言等をテーマにしたセミナー講師派遣

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歩11番館403
TEL:078-335-5172
ホームページ:https://www.kobe-busicolle.net/kobe-tsunagari/index.html

生駒 貴徳(イコマ タカノリ)

昭和44年11月生まれの52歳。さそり座。O型。
2016年に一般社団法人こうべつながりを設立。今までに200名を超えるエンディングノート作成に携わり、終活セミナー講師も数多く務める。