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2022/12/03テーマ:インタビュー,コラム~身元引受人/後見人/終活~

地域包括ケアシステムに通じるシニアに必要な5つの契約

エレガリオ神戸は神戸市中央区海岸通に位置する介護付き有料老人ホームです。近隣には大丸神戸店や元町商店街、ハーバーランドなどがあり、都市型生活を楽しみたいシニアの方にはうってつけの住環境の中、手厚い介護体制やこだわりの食事で安心のシニアライフをサポートします。

この度、エレガリオ神戸では一般社団法人こうべつながり 生駒様に「地域包括ケアシステムに通じるシニアに必要な5つの契約」についてお話をお伺いいたしました。こちらのブログでご紹介いたします。

■ 地域包括ケアシステムとは?

団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、厚生労働省が目指してる仕組みを指します。重度な介護となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを、人生の最期まで続けられるよう高齢者への総合的・包括的支援サービスが各地域で提供されることを目指す、というものです。

(出典:厚生労働省ホームページより)

厚生労働省のホームページでは、この仕組みの根本となる考え方を、下記のような植木鉢の絵を使って表現されています。

(出典:厚生労働省ホームページより)

植木鉢があっても土のないところに植物を植えたら育たないように、植木鉢である高齢者の住まいがあっても、土となる生活支援サービスがなければ、安定した日常を送ることができません。

地域包括ケアシステムでは、高齢者のプライバシーと尊厳が十分に守られた「住まい」(=植木鉢)があり、その住まいにおいて安定した日常生活を送るための「生活支援サービス」(=土)があることが基本要素です。サービスなど、養分を含んだ土があればこそ、専門職などによる「医療や介護など」が効果的な役目を果たすものと考えられています。

そもそもで言えばその根底であるお皿も重要です。イラストを見ると、本人の選択と、本人・家族の心構えとあります。つまり、一番下で支えている本人が選択する“意思”と“家族の役割”があってこそ、その上にある住まいやサービスが成り立ち、医療や介護などが役目を果たすわけです。

では、家族の役割とは何でしょう?

その一つは、住まいにおける身元保証人です。なぜなら、住まいが賃貸住宅や高齢者施設の場合、必ずと言っていいほど身元保証人が必要になります。つまり、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを、人生の最期まで続けられるようにするには住まいを支える要素として身元保証人は必須だと言えます。

■ 家族の形/おひとりさまの増加

一方、2020年国勢調査によると、最も多いのは夫婦と子ども2人、いわゆる昭和の標準世帯・核家族といわれる世帯ではなく一人暮らし世帯です。さらに今後は、高齢の夫婦のみ世帯もやがて夫婦のどちらかが亡くなれば一人暮らし世帯に変わります。

家族であっても世帯は別であり、親が関西在住で子どもは関東などお互いの距離も遠くなっています。つまり、家族であっても、遠方にいると身元保証人の役割を担う事が難しい、という場面も出てくるのです。

また、未婚・離婚の増加に伴い2040年には人口の半分が独身になるとも言われています。言い換えると、おひとりさまで身寄りがない・身元保証人を立てられない方が一層増えてしまう、ということ。

すると、植木鉢や土、葉っぱにも影響を与えます。つまり、生活支援サービスや医療、介護などを担う方々が、提供するサービスに集中できず植物が枯れてしまう可能性があります。

そこで、今までは当たり前のように家族が担ってきたことを、第三者との契約によって根本を支える契約が、以下の「シニアに必要な5つの契約」です。

 

■ 身元保証人と死後事務執行人

まずは、この5つの中でも、特におひとりさまシニアの準備が必須なのが身元保証人と死後事務をしてくれる人を確保しておくことです。

①身元保証人委任契約 ~年齢に関わらず必須準備~

なぜなら地域包括ケアシステムだけでなく、介護保険や成年後見制度、そして民間サービスも、大きく言えば民法も家族・親族がいる前提で作られています。そのために、公的制度や民間サービスを利用する際の各種契約時には本人以外の同意や緊急連絡先など、いわゆる家族の役割である身元保証人・身元引受人が欠かせないのです。

死後事務委任契約

人は自分で自分をあの世へ送ること、自分の死後の片付けをすることが出来ません。ここにも、おひとりさまシニアの課題と社会問題が生じています。

そこで、あなた(委任者)が受任者(個人でも法人でも可)に、自分の葬儀や火葬・納骨を含む死後事務や生前にかかった費用の精算など、あなたの死後に起こる事務について代理権を与えて受任者に委託する、委任契約が必要です。

おひとりさまシニアは『契約』によって本人と受任者の間で家族的な繋がりを擬制しておく必要があります。

②任意後見契約 ~法定後見制度との違い~

任意後見契約は成年後見制度のひとつで、もう一方に法定後見制度というものがあります。まずはこの二つの違いです。

任意後見契約は、現在判断能力が十分な方が、将来自分の判断能力が不十分になった時に備えてあらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見予定人)に、代理権を与える契約を、公正証書で結んでおく契約です。

法定後見制度は、すでに判断能力が不十分な方を支援するために、主には親族が家庭裁判所に申し立てを行い、家庭裁判所が適任と思われる人を選び、支援する人をつける制度です。

どちらも主な役割は財産管理と身上監護(福祉や医療サービスの手配や契約)を担う事です。

③見守り契約

任意後見契約を締結しても、その代理人は後見人ではなくあくまで予定人です。なぜなら、任意後見人になるのはあくまであなたの判断能力が不十分になった後。つまり判断能力が十分な間、その代理人には何の権限もない状態と言えます。ではその代理人が、あなたの判断能力が不十分になる時期を把握する必要が出てきます。

そのために必要な契約が「見守り契約」です。あなたと定期的に連絡や面談を行い、あなたの様子を見守ってもらうわけです。ゆえに、任意後見契約と見守り契約は一般的にはセットで結ぶ必要が出てきます。

④財産管理等委任契約

そもそも成年後見制度は、認知症や知的障がい・精神障がいにより判断能力が乏しい方を支援する制度です。

では、認知症など脳の病気ではなく身体の不自由さで自身の財産などを管理できなくなったら?

その場合、成年後見制度は利用できません。そこで必要なのが財産管理等委任契約です。この契約は、自らが選んだ代理人に、どのような形で財産管理を任せるか内容を決めて結ぶ契約です。

■ 大前提はエンディングノート

以上、5つの契約を紹介しました。

お気付きあるいは疑問を感じた方もいらっしゃるかもしれません。死後事務委任契約でも任意後見契約でも、あるいは財産管理等委任契約でも代理人や受任者にあなたが与える代理権について内容を伝えなければなりません。財産はどんな種別があるのか、あなたが望む葬儀や納骨などなど。

だからこそ、大前提としてまずはエンディングノートを書くことが大切です。

最後までご高覧いただき、ありがとうございました。

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【エレガリオ神戸のご案内】
エレガリオ神戸は神戸市中央区海岸通に立地。近隣には元町商店街、ハーバーランドがあり、お散歩気分で気軽にショッピングやお食事に出かけられアクティブな生活が楽しめる介護付き有料老人ホームです。是非、ご見学だけでもお越しくださいませ♪

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フリーダイヤル:0120-82-7700
ホームページ:https://elegario.com

【一般社団法人こうべつながりのご案内】

~活動目的~
一生涯関係を持ち続ける家族のように、人生の伴走者となってつながりを求めるすべての人の意思を尊重し、安心して暮らせる社会を実現すること

~活動内容~
私たちは上記目的を達成するために下記の事業を行っています。

【つながり会員制度】もしもの時の安心サポート
~5大支援で一生涯の安心を届けます~

① 身元保証~入院や施設入居時など/医療同意含む~
② 生活支援~家族の立場で24時間対応~
③ 死後事務~あの世への引越し準備~
④ 葬送支援~葬儀・納骨の執行人~
⑤ 顧問支援~弁護士・税理士による成年後見、遺言等~

~終活、エンディングノートの普及活動~
①終活全般やエンディングノートの書き方
②成年後見制度や遺言等をテーマにしたセミナー講師派遣

〒650-0015
兵庫県神戸市多聞通4-4-13
歩11番館403
TEL:078-335-5172
ホームページ:https://www.kobe-busicolle.net/kobe-tsunagari/index.html

生駒 貴徳(イコマ タカノリ)

昭和44年11月生まれの52歳。さそり座。O型。
2016年に一般社団法人こうべつながりを設立。今までに200名を超えるエンディングノート作成に携わり、終活セミナー講師も数多く務める。